2006.09.24 瞬間移動
私はついに「瞬間移動」の方法を発見した。
波動関数を意識による観測で収縮させるのだ。
これで宇宙のどこへでも一瞬で移動することができる。

私は長年夢見ていた場所へついに行くことができるのだ。

私は目を閉じた。
そして何も考えずに、意識を無にしていった。
これで私の身体は消え、波動関数が宇宙全体に広がった。
次に、目的の場所にいる私の波動関数をつかまえる。
私の意識が、私の身体の波動関数を観測した瞬間、私の身体は瞬間移動する。

みつけた!

私は目を開けた。
たしかにそこは私が夢見ていた場所だった。
瞬間移動は成功した!
私は全身幸福で満たされた。
お腹がいっぱいすぎるほどに。
いや、これは、、、

私は肝心なことを忘れていた。
瞬間移動ができるという喜びで舞い上がっていたのだ。
宇宙服なしで宇宙空間に出るなんて!

私の身体は火星のオリンポス山の頂で膨張しすぎた風船のように破裂したのだ。。


ちなみに、破裂した私は当然死んだわけだが、
私はあの世から私の意識をこの世にいる妹の脳に瞬間移動させ、この文章を書いている。

瞬間移動はどうやら空間移動を超えた威力をもっているかもしれない。。
2006.09.15 私の太陽
日本とアメリカ・ニューヨークでは14時間も時差がある。
だから日本が夜のときアメリカは昼であり、アメリカが夜のとき、日本は昼である。

そこで、日本の首相がアメリカ大統領にこう言った。
「日本は夜になるとアメリカに太陽をプレゼントして、アメリカが昼になる。
今度はアメリカが夜になると日本に太陽をプレゼントして、日本が昼になる。」
お互い与え与えられて仲良く支えあっていきましょうという意味を込めてである。

するとアメリカ大統領はこう言った。
「夜になると太陽を奪っていったのは日本だったのか。
アメリカは常に光に満たされているべきだ。」

そしてアメリカは日本に戦争をしかけ、滅ぼしてしまった。
すると、太陽も日本と一緒に消滅してしまい、アメリカは常に夜に満たされた。

アメリカの子どもが夜な夜な言う。
「毎日太陽を届けてくれた日本はどこへ行ったの?」


同じような話が日本と中国にもある。


日本の首相が中国の主席にこんな手紙を送った。
「日の出づる国の天子から日の没する国の天子へ」

中国の主席はこう思った。
(日本という国がなくなれば、中国こそが日の出づる国だ)

そして中国は日本に戦争をしかけ、滅ぼした。
すると、二度と中国に日が昇ることはなくなり、中国は日が没したままになってしまった。

中国の子どもが夜な夜な言う。
「毎日太陽を持ち上げてくれた日本はどこへ行ったの?」


結局、どちらの話も日本人が書いたものだった。。
2006.09.09 聖清乳酸菌
2001年9月11日22時。その日は20時くらいに早めに眠っていた私はふと目が覚めた。そして何気なくテレビをつけた。ニュース番組の映像が突然切り替わって、高層ビルが黒煙を上げている映像になった。何がなんだかわからなかったが、大変なことが起こっているということだけはわかった。テレビから目が離せなかった。すると、2機目の航空機がやってきて、もう一方のビルに激突した。とても現実に起こっているとは思えないようなことだった。これがのちにいうアメリカ同時多発テロ事件、9.11だった。

次の日、私は事件のことが気になりながらも会社へ出かけた。しかし会社に行く途中、私は少年A(3)が操縦する三輪車に追突された。信じられなかった。まさか日本でもテロが発生するなんて。アルカイダの手は日本にまで伸びているのか。しかもこんな小さな子どもにまで。

テレビニュースは貿易センタービルのことばかり報道していたため、私の事件は報道されなかったが、私はアルカイダやビンラディンに命を狙われていたのだ。
1機目、2機目の航空機は貿易センタービル、3機目は国防総省、4機目はピッツバーグへ墜落、そして5機目の三輪車は私に追突したのだ。
私はこのことを軍法会議に訴えたが、まったく相手にされなかった。私は不服申し立てをし、再審を要求したが却下された。
「日本はテロに屈しないと宣言しておきながら、本当はテロを恐れているんじゃないか!これだから日本の裁判制度は!」と叫ぶと、そのことが法廷に対する侮辱だとされ、私は有罪にされてしまった。
さらには、このことが会社の上司にバレ、私は即刻クビを言い渡された。
ここで私は気付いた。これこそがビンラディンの狙いだったのだ。私を退職させることが。しかしなぜ、、

私は某有名乳製品会社で働くヨーグルトの研究員だ。さまざまな乳酸菌をいろいろな角度から分析し、日々新しいヨーグルトを研究開発している。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は人の腸内をきれいにし、心身を健康に保ってくれる。私は人のお腹をきれいにすることが、心もきれいにするのだと信じている。汚い心を持つ人のことを「腹黒い」というが、乳酸菌はそういった汚い腹をきれいにしてくれるのだ。私はヨーグルトが世界を平和にするのだと信じている。
そうか、アルカイダは世界を平和にするヨーグルトを開発されては困るということで私を退職に追いやったのか!そういうことなら私は会社を離れたところで、独自にヨーグルトを研究し続けるぞ。そして世界を平和にするのだ!

その日から私は自宅の地下に作った研究室で新ヨーグルトの開発を進めた。腸内だけでなく、全身をきれいにする新しい乳酸菌。血管を通り、全身に行き渡りきれいにしてゆく。心も身体もきれいにする、「聖清乳酸菌」。
研究室に閉じこもりっきりで、テレビなんかも見なかったが、世界情勢は自然と耳に入ってきた。9.11同時多発テロ事件に対する報復として、アメリカがアフガニスタンに武力攻撃を行ったこと。イラクが大量破壊兵器を保有しているということでアメリカがイラクへ侵攻したこと。テロとの戦いのために日本もアメリカに支援したこと。
新世紀の世界はどんどん混沌へと向かっていっている。暗い世の中に光を灯すためにも、早く聖清乳酸菌を開発しなければ。

それは2006年7月5日北朝鮮がテポドン2をはじめとするミサイル発射実験を行う1週間前のことだった。
私はついに、腸内から皮膜を通り抜けて血管へと進入し、全身を駆け回り洗浄していく新しい乳酸菌、「聖清乳酸菌」の開発に成功した。これで世界は平和になる。私は喜びに打ちひしがれていた。

早速私は開発したばかりの聖清乳酸菌で作った「聖清ヨーグルト」を食してみた。食感は従来のヨーグルトよりもなめらかで、まさに全身に溶けていくような感覚が広がっていった。
しかし私がその感覚に浸っている間もなく、突然研究室に数人の武装グループが入ってきた。その手にはライフルが握られていた。

「なんなんだ、君たちは」
「取引をしよう。その新しい乳酸菌を我々にすべて渡せ。そうすれば命だけは助けてやる。大人しく渡さなければ、命は無い。」
「君たちはこの心も身体もきれいにする聖清乳酸菌で一体何をしようというんだ」
「世界を平和にするのさ。世界を牛耳り、第三国には苦しみばかりを強いるアメリカを滅ぼしてな。」
「なにを、、」
「警戒レベル特Aの検査もすり抜けられるその新生物兵器で、だ。」
「何を言って、、」
「お前が開発したのは全身を腐蝕させる腐蝕乳酸菌だ。しかし見た目は普通のヨーグルトと変わらないから、なんの不信感も与えずに食べさせることができる。」
「そんな馬鹿な、、」

見ると私の腹がどんどん黒くなっていった。あらゆる私利私欲を飲み込むブラックホール。腹だけでなく全身が、まるで小さなビックバンがいたるところで発生しているかのように、無数の黒い点が急速に膨張してゆく。もののけになってしまう!
眼球の白い部分が真っ黒になって私は宇宙人になった。


武装グループは「腐蝕乳酸菌」でテロを開始した。
私が勤めていた某有名乳酸菌会社の、ヨーグルトをはじめとする乳製品に腐蝕乳酸菌を混入させ、それを食べた全国数十万人の人間が宇宙人になった。
北朝鮮のミサイル実験に使われたミサイル弾道に腐蝕乳酸菌を混入させ、日本海は腐蝕乳酸菌に汚染された。汚染された魚たちは広い海へと拡散していき、世界中の海がゆっくりと腐蝕乳酸菌に汚染されてゆく。汚染された魚を食べた渡り鳥によって、腐蝕乳酸菌は世界各国へと広がってゆく。場合によっては、「鳥インフルエンザ」と表現されることもあった。

心身をきれいにし、世界が平和になってほしいという願いを込めてつくられた「聖清乳酸菌」は世界中に広がり、大量の人間を宇宙人に変えてゆく。
やがて地球人はいなくなり、作者の願いどおり世界は平和になるだろう。。