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余命宣告

深夜、ドアをノックする音に起こされた。時計を見ると0:00だった。こんな時間に誰だよ、と思いドアを開けると、頭から全身に黒い布を被った老人が立っていた。手には布にくるまれた長い棒のようなものを持っていた。
「余命宣告に来ました。」老人は言った。「あなたの命は今日までです。明日のこの時間に命をもらいに来ますので、それまで残りの命を大切にしてください。」
私は突然のことにショックを受けた。「どうして」と聞くより前に老人の姿は消えてしまっていた。老人が持っていたのはカマだったのだとそのとき気がついた。
あーどうしよう、今日一日どう過ごせばいいだろう。考えるうちに強烈な睡魔が襲ってきた。大事な時間を無駄にしたくないと思ったが、眠ってしまった。

ドアをノックする音に起こされた。私はハッとした。死神が命を奪いにきた、私は最後の一日をずっと眠って過ごしてしまった!と思った。時計を見ると22:00だった。死神ではないようだ。
ドアを開けるとカナがいた。カナは高校生の頃からずっと付き合っている彼女だ。最後の2時間カナと過ごせるならいいかもしれないと思った。
「ねぇ、どこか行こう」「あぁ」

私は自転車の後ろにカナを乗せて、深夜の人も車もいない道をひたすら走っていた。闇を切り裂く風が気持ちよかった。カナの笑い声が心地よかった。人生最高の瞬間だと思えた。これから死ぬなんてウソだと思った。死神が来たなんて悪夢だったに違いないと思った。時計を見ると23:59だった。死ぬ気がしなかった。今頃、死神老人は私の部屋をノックしながら、おかしいな、いないな、と困っているかもしれない。なんだか可笑しくなってきた。「最高だ!」と叫んだ。
そのとき、カナの力が急に抜けたような気がした。「カナ、カナ!」呼びかけても返事がない。「なんで?」涙が出てきた。私はカナを後ろに乗せたまま自転車を走らせた。行くべき場所がわかっているかのように。

どこかの畑に着いた。暗闇の中にトマトの赤が浮かび上がっていた。私はその熟れたトマトを手にした。ひとかじりすると、口づけをするように、カナの口の中にトマトを流し込んだ。そうすれは生き返るような気がしたので。
しかし、何の変化もなかった。どうすることもできなかった。
それでもカナは笑顔だった。
「助けてください・・・神様どうか助けてください!」私は夜の闇に叫んだ。

カナは私の身代わりになってくれたんだ。どうにかして私の余命とカナの余命を入れ替えたんだ。私はそんなことも知らずに・・・あぁ私にはどうすることもできない。

空には赤い三日月が死神のカマのように不気味に浮かんでいた。。
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テーマ : 夢小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:54notall
横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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