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ミミズ

私は学校の中を逃げていた。何から逃げているのかはわからないが、とてつもなく恐ろしいもの。私は階段を全飛ばしで下りていった。飛んで回って飛んで回って飛んで回って。一番下まで降りて走り出そうとしたとき、私の前に「それ」はいた。全身を黒い布で覆い、大きな鎌を構えた、「死神」。ハッとした瞬間、死神は鎌を振り抜いていた。私の首は簡単に持っていかれてしまった。
そのとき私は自分の身体の奇妙を見てしまった。私の首から伸びているのは、巨大なミミズのようなものだった。飛んでいく首に引っ張られて、私の身体からズルズルとミミズが出てくる様子が見えた。外から見たらそれは首がどんどん伸びていくようにも見えただろう。身体から切り離された私は今や、人間の頭を持ったミミズのようだった。

私は自分の存在をかき消されたような気になった。記憶喪失になったような。記憶はあるのだが、記憶と現実が完全にズレてしまったような感じ。私は人間だったかミミズだったか。今この思考をしている私は人間なのかミミズなのか。この脳は人間のもの?ミミズのもの?脳にミミズが寄生したのか、人間の脳とミミズの脳が溶け合ってひとつになってしまったものなのか。それともミミズが人間の身体を身に纏っていただけだったのか。ならば私はもともと人間ではなくミミズではないか。私という存在の記憶はまったくの嘘で、本当はミミズの私が真実なのだとしたら。私は私でないような、いやむしろ本当の私に出会ったような。今の私は私が誰なのかあいまいな私であった。

死神はこう言った。「私は『お前』を殺した。」と。

目を覚ました私は奇妙な気分だった。脳からミミズの体が伸びているような、首から身体へ伸びる脊椎がなんだかミミズのような感触がするような気がした。私は自分が人間の身体を着たミミズなのではないかという気になっていた。
何もやる気がしなかった。私は本当はミミズなのだとしたら、ミミズらしく生きることが自然なのではないか。もう人間みたいに振舞うのはやめよう、これからはミミズとして生きよう。そんな気になっていた。

死神が言ったように、昨日までの『私』は完全に殺されていた。。
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テーマ : 夢小説
ジャンル : 小説・文学

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横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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