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さわやか少年先生

私が小学2年生のときの担任は「さわやか少年先生」と呼ばれていた。さわやか少年先生は新米教師で若くて、しかも童顔で身長も低かったから子どもみたいだった。休み時間に無邪気に生徒と遊んでいる姿はまさに「さわやか少年先生」だった。教えるのは決して上手とはいえなかったが、真面目で誠実で心に一点の曇りもない純白の先生だった。

ある日私は肝試しをしようと放課後ずっと学校に残っていた。生徒はみんな帰り、夕日で赤く染まった教室はし~んと静まり返っていた。すると誰かが歩いてくる足音が聞こえてきた。私はとっさに掃除用具ロッカーの中に隠れた。ガラガラッとドアを開けて入ってきたのはさわやか少年先生だった。私は息を潜めながらロッカーの隙間から様子を見ていた。さわやか少年先生は窓側後ろから2番目の席に座った。そして窓の外を静かに眺めていた。実は窓側後ろから2番目の席は私の席で、私もよく窓の外を眺めていた。それでなんとなく、さわやか少年先生と私とが重なって見えた。

どれだけ時間が経っただろうか。窓の外を眺める先生を眺める私、それは永遠のようだったが教室はずっと赤いままだった。さわやか少年先生がふと「あっ、流れ星だ」と言った。

私はいつの間にか眠ってしまっていた。教室はもう真っ暗だった。さわやか少年先生はいなくなっていた。

今思い出してみると、さわやか少年先生が「あっ、流れ星だ」と言った瞬間に夜になった気がする。そんなわけあるはずないけど、だとするとさわやか少年先生が入ってきたところからすでに夢だったのかもしれない。あの日の出来事すべてが夢だったのかもしれない。

それが気になって私は先日母校を訪ねた。「さわやか少年先生はいますか?」残念ながらさわやか少年先生の本名は覚えていない。先生たちもそれではわからないという風だった。それで先生全員に会って探してみたのだが、さわやか少年先生らしい先生はみつからなかった。いるのはみんな「疲れた大人先生」だった。。

あなたの学校に「さわやか少年先生」はいますか?
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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