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人生ゲーム

私は人生ゲームで絶対に勝ちたかった。
友達とやっても家族とやっても、いつもいつも負けてばっかりだったから。

ルーレットは物理の法則に従って回るわけだから、回す力を力学的に計算すれば思い通りの数字が出せるはずだ。
私はルーレットの形状を詳細に調べ、その摩擦や振動といったデータを集めた。
また、指先の力加減を正確にするために、もっともブレがなくなるフォームを研究し、いつでも同じ力でルーレットを回せるようになった。
これによって私は出したい数字を思い通りに出せるようになった。

そして運命の日。大学の友達との人生ゲーム。
絶対に勝ちたかった。

しかし、負けてしまった。
ルーレットの性質は正確にわかっていたし、ルーレットを回す力も正確だった。
思い通りの数字を出せるはずだったのに、うまくいかなかった。

たとえば職業を選択するところでは、最も月給のいい「政治家」をねらっていたのだが、
8に合わせてルーレットを正確に回したのに、7が出てしまって平凡な「先生」になってしまった。
宝くじが当たるマスをねらってルーレットを回したのに、家が火事になってしまった。
ラスベガスのカジノでは大金をかけたのに負け続けた。
物理的に思い通りの数字を出せるはずだったのに。

何度やってもうまくいかなかった。
練習では思い通りの数字を出せたのに、本番では思い通りの数字が出ない。
私はまたしても人生ゲームに負けてしまった。

私は悟った。
これは人生ゲームなのだ。
いや、ゲームではなく、人生そのものなのだ。
ボード上のコマはただのプラスチックのコマなのではなく、人なのだ。
意志を持った人間。そこには人生があるのだ。

私のコマは、その人は、政治家ではなく先生になりたかったのだ。
私がルーレットを回してコマを進めるのではない。
コマの意志によってルーレットは止まるのだ。
私がコマを操っていたのではない。
操られていたのは私のほうだったのだ。

現実の人生もそうなのかもしれない。
人間は神様によって運命が決められているのだという考え方があるが、そうではない。
私たちは紛れもなく自分の意志によって動いているのだ。
神様には私たちを操ることなんてできない。
ルーレットは私たちの意志によって止まるのだから。

この現実の、私自身の人生ゲームは負けるわけにはいかない。
私は強い意志をもってそう思った。。
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テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

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人生ゲーム

人生ゲーム人生ゲーム(じんせいげーむ)は、1960年にアメリカ合衆国|アメリカHasbro社から発売された、ボードゲームである。原型は1860年ごろ、イギリスの印刷業の社

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操っているつもりが操られている、このマニュピレーション?のオチはいいですね。
エラリー・クイーンの後期作のようです(ってほんとか?)

テレビゲームなんかも操られてますよ。クリエイターのみなさまに踊らされてる。そんなことは案外多い。。

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Author:54notall
横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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