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切断(SETSU-DAN)

僕は自分が嫌いだ。

夜な夜な女の裸、快楽の肉壺を求める自分がとても嫌になる。
それはとても道徳的でない、野蛮で醜い欲望だ。
しかし、忌むべき行為と思いつつも、僕はどうしても我慢できずに夜の街へ飛び出し、片っ端から女に声をかけ、一晩限りの情事に及んでしまう。

僕は、嫌らしい恥ずべき行為を毎晩のように犯してしまう自分が大嫌いだ。

この悪の衝動はどこから来るのだろうか。
男性自身、暗黒に染まった肉棒からだ。こんなものがついているから野蛮な欲望が起ち現れてくるのだ。

僕は罪悪の肉棒をはさみでちょん切ろうとした。
でも、とてもじゃないがはさみなんかじゃ断ち切れそうになかった。

僕は近所にある「黒岩組」というヤクザ事務所に行った。そして懇願した。

「黒岩親分、お願いです!親分のその太刀で僕の男根を斬り落としてください!」
「おい、若いの、一体全体なんで男の一物を斬り落としたいなんて思うんだい?」
「はい、女性を求める自分が嫌なのです。女性を貪りたいという邪悪な欲望を断ち切るために、男根を絶ちたいのです。」
「ふむ、君はなかなか病んでいるねえ。女はいいぞ、あの柔らかさ、あの柔らかさに包まれさえすればもう何もいらない、そんな気になる。君は女が嫌いなのかい?」
「いえ、好きなのです。大好き過ぎるのです。女性の柔らかさ、その気持ちよさ、たまらんのです。それで毎晩のように情事に及んでしまうのです、快楽を求めて。
でも、気持ちいいのは情事の最中だけです。一度溜まったザーメンを吐き出してしまった後はひたすら落ちるのみです。僕はいつも死んだような気になるのです。まさに精魂果てたような気になるのです。それが嫌で嫌で仕方がない。
なのに、それをわかっていて毎晩のように求めてしまうのです。一瞬の快楽のために。その後どれだけの空虚感、無気力感が待っているか。
そんな、自分を抑えられない自分が嫌なんです。嫌で嫌でしょうがないんです!だからいっそそんな欲望を立ち昇らせる男根そのものを断ち切ってしまおう、そう思ったのです!」
「君はなかなか男気があるねえ。よし君、うちの組に入りたまえ!」

そんなわけで、僕はなぜか黒岩組に入ってしまった。

「君はセックスの後の空虚感、脱力感が嫌だと言ったね。そんなものは問題じゃない。クスリを一発キメてやればいいんだ。そうすれば終わった後もずっとぶっ飛んでいられる。」
そう言って黒岩親分は大量のドラッグときれいなお姉さんをあてがってくれた。
親分は僕のことをたいそう気に入ってくれていた。

それで僕は、クスリをキメてから女とセックスするようになった。もうそれはそれはぶっ飛んでいた。快楽が身体中を駆け巡り、頭の中はそのことばかり考えていて、いっぺんに何人もの女とやっているような気分だった。
終わった後の空虚感とはもうおさらばだった。ずっと快楽の肉壺の中にいるようだった。毎晩が天国だった。

だけど僕は思った。
毎日毎日逝きっぱなしじゃ、これはこれで四六時中死んでいるようなものじゃないか。
しかもこの快楽はとてもじゃないが断ち切れそうにない。。
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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阿部定かと思いました…。
切断するまでもなく、もう人生ズタズタですね…

切断がテーマだったのに、断ち切れなくなっちゃった。。

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54notall

Author:54notall
横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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