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長いトンネルの向こうへ、、

僕は長いトンネルを歩いていた。
はるか遠くに見える光に向かって。

トンネルの壁面には、動く写真というような映像が所狭しと貼られている。
自分が子どもだった頃の思い出。
赤ん坊の僕に母乳を与える母さん、それを見守るおばあちゃん。
記憶に残っていないはずの忘れたはずの思い出までもが並んでいた。
こんなことがあったんだ。

歩いていくにつれて、動く写真の僕は成長していった。
ああこんなこともあった、と懐かしい思い出に浸った。
楽しい思い出ばかりではなく、悲しい思い出やつらい思い出もそこにはあった。
自分が犯してしまった悪事に本当に申し訳なく思ったりもした。

動く写真の僕は大人になっていた。
なんだか子どもの頃と比べると写真の数が減ったように思う。
少ない思い出、薄っぺらい時間。
写真の数が減っているのだから時間は濃密に過ぎていくはずなのに、変わらない自分。
子どもの頃はなにもかもが新鮮に思えていたのに、大人になってからは新しいものに出会わなくなった。
だから思い出に残るようなことも少ないのだ。そう思った。

気がつくとトンネルの最後のところまで来た。
光は眩しすぎて一寸先も見えない。何があるのかわからない。
僕は気づいた。これ以上踏み込めば「死」だ。

僕は立ち止まった。死にたくない。
ふと、壁面の写真を見た。
自分が死ぬ瞬間の動く写真が所狭しと並べられていた。
自分が死ぬ瞬間の映像が何重にも繰り返されている。
恐ろしい、恐怖に歪む表情。

僕は引き返そうと振り向いた。
しかし、そこは完全な闇だった。
壁面の写真は消え失せていた。
あるのは自分が歩いてきた長い長い道のりを重ね合わせた深い深い闇だけだった。
もう引き返せないんだ。
僕の周囲の壁からは死ぬ瞬間の僕の悲鳴が聞こえてくるようだった。
僕はもう立ち止まってなどいられなかった。

僕は光に飛び込んだ。。
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テーマ : 夢小説
ジャンル : 小説・文学

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走馬灯の写真展バージョンと言うと
下世話な感じでしょうか…。

撮影者も観客も自分なんだ。。

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プロフィール

54notall

Author:54notall
横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
メインブログ54のパラレルワールド

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