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空気みたいなやつ

「空気みたいなやつ」そう言われた。
目の前でさんざん悪口を言われた挙句、
「あ、そんなとこにいたんだ、気づかなかった」と言われた。
「空気みたいなやつだな」
そういう意味だ。

するとひとりの女の子が、
「でも空気はなくちゃならない存在よね」と言った。
そんなこと言わなくてもいいのに。
空気がなくなったみたいにシーンとなっちゃったじゃないか。
僕はそんな優しいこと言われると泣きそうになるんだ。
僕は悪口を言われるのに慣れてるんだ。
だけど、優しい言葉をかけられるのには慣れてないんだ。
だから泣きそうになるんだ。
その女の子はなんにもわかってないんだ。

そのあと、その女の子と二人っきりになった。
女の子は僕に腕を見せた。
そこには手首を切った痛々しい傷あとがあった。
「私、前の学校でいじめられてて、それで自殺しようとしたことがあったの。
でも、あとですごく後悔したんだ。
お母さんもお父さんもすごく泣いて、心配してくれて。
ああ、こんな私でも愛してくれてる人がいるんだ、と思って。
こんな醜い傷も残っちゃうしね。
だから、どんなにひどいことがあっても、死のうなんて思わないでね。」
そんなこと言わなくてもいいのに。
僕は死のうなんて思ったことないのに。
本当に、なんにもわかってないんだ。

その夜、僕は生まれて初めて手首を切った。。
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テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

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Author:54notall
横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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