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沈黙

夜の闇の中で、三人の少年が座っていた。

少年は黙っている。他の二人も黙っている。
もう随分とこうしているような気がする。
少年は他の二人と目を合わせようとはしない。
沈黙が三人を包み込んでいる。

きっかけは何だったか、些細なことだったはずで、覚えていない。
ほんの小さなすれ違いが、三人の少年の間に大きな亀裂を生んだ。

ごめんなさい、と素直に謝ればよかった。
早い段階で謝っていれば、傷はこんなに深くはならなかったはずだ。
もう遅かった。

また、時間が流れた。
夜の闇はますます深くなっていった。
この闇はどこまで深くなっていくのだろう。

「ごめん、、」
やっと、少年はつぶやいた。
「本当にごめん!」
二度目は感情が破裂したみたいに大きな声が出た。

そんな少年を、真っ白な目が睨んでいた。
首と胸を真っ赤に染めた二人の少年の真っ白な目が、少年を睨みつけていた。
少年は二人の少年の視線を受け止めることができなかった。
再び、沈黙。

「今頃謝っても、もう遅いよな、、」
少年は、血で真っ赤に染まったナイフを睨みつけた。

雨が降り出した。
真っ暗な空から、強くて重たい雨が。
沈黙が、破られた。。


――――老人は「沈黙のナイフ」についてそのように説明してくれた。
それと付け足すように、「沈黙のナイフ」を使うと敵モンスターが「沈黙」状態になる、と説明した。
老人がどうやって「沈黙のナイフ」を手に入れたのか、それはわからない。
もしかすると、この老人は、その「少年」なんじゃないか。
僕はなんとなく、そう思った。

「沈黙してはいかんのじゃ。沈黙は心に闇をもたらす。
言葉は黒い文字じゃ。
言葉を胸に溜め込んでは、心が言葉で埋め尽くされて暗く黒くなってしまう。
だから思った言葉は、たとえどんなものであれ、声に出さなければならんのじゃ。」
老人は続けた。
まるで胸の中の闇を吐き出すかのように。

老人はこうやって、自分の罪を誰かに語ることによって、心が闇に染まるのを免れているのではないか。

老人の話はまだまだ終わりそうもない。
僕は早速「沈黙のナイフ」を使ってみた。。
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テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

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Author:54notall
横浜国立大学マルチメディア文化課程。
爆笑問題太田さん、ダウンタウン松本さん、B'z稲葉さん、ラルクHYDEさん、椎名林檎さん、マイクル・クライトン、、に強く影響を受けています。
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