2006.12.23 真っ赤な花
「クリスマスは稼ぎ時だなあ、、」
おなじみの赤い服を着た男はつぶやいた。そして声を張り上げる。
「メリークリスマス!クリスマスプレゼントはトイワールドで!!」
クリスマス前日、おもちゃ屋さんは賑わう。
お母さんは子どもに「クリスマスプレゼント、何がほしい?」などと聞いている。
おなじみの赤い服の男は笑みを浮かべる。

そこへ一人の中年の男がやってきた。
「あなたは本物のサンタクロースですか?」
「え?」
相手が子どもなら「もちろん私がサンタクロースだよ」と答えるところだが、相手が中年男とみると躊躇した。だが、この男の目、マジである。
「ああ、私はサンタクロースだよ、、」
「嘘つくんじゃねえよ!!」
中年男はいきなり背後に隠してあった金属バットで赤い服の男をメッタ打ちにした。
「サンタがなんでプレゼント売ってんだよ、バカ野郎が!」

中年男は街中の“偽サンタ”を撲殺していった。使命を感じていた。
偽者のサンタが多くなったから本物のサンタがやってこなくなったんだろうが!
それが男の言い分。偽者サンタを撲滅することによって本物サンタを迎えようというのだ。
しかし彼は間違っていた。

あのトイワールドのサンタクロースは本物だったのだ。
サンタクロースは昔、たしかに子どもたちにプレゼントを渡していた。無償で。
しかし現在ではいくぶん事情が違っている。
昔は宗教が世界を支配していたが、今は資本主義の時代である。
慈善だけではサンタも生きていけなくなったのだ。
資本主義サンタは自然、金儲けに向かうようになっていった。
トイワールドの売り上げはおもちゃ業界で世界一位を誇るようになった。
おかげでサンタクロースは世界中の子どもたちにプレゼントを行き渡らせることができるようになったのである。

みなさま、トイワールドのサンタクロースこそ本物のサンタクロースなのです!!

名も知らぬ中年男よ、メリークリスマス!
銃声一発。
白い雪に真っ赤な花が咲いた。。
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